草加東サッカー 40年、今、そして次の40年へ

 草加東サッカースポーツ少年団はここに40周年を迎えることができました。支えて頂いた皆様に、心より御礼申し上げます。

 40年の間にはいろんなことがありました。特別役員の利器さんも書いてらっしゃいましたが、いろいろな伝説が団には語り継がれています。それもまた、団の財産です。

 曰く、どこまでほんとうかはひとまず置いておいて、

 トイレのない、石だらけのグラウンドで、野犬に追われながら練習した。

 冬の練習ではドラム缶で焚火。ことによったら熱燗もあった。

 川小の外周をリフティングで3周してから練習した。落とさず回れるまで校庭に入れなかった。

 子ども達を幌トラックの荷台に積んで試合に行った。さすがに車酔いした荷台の惨状に、一念発起した保護者が模擬店と廃品回収でバスを買った。最初のバスは座席の中ほどから路面が見えた。今のバスが3代目らしい。

 そうか公園ができることになってグラウンドがなくなってしまう。点在する地権者を突き止めて、頭を下げて、柿木の土手下にまとまった土地を確保した。木を切って、切り株を抜いて、藪を切り開いた。まさに開墾。とうとう父母の何人かが、ブルドーザーを運転できるようになった。古コンテナを買って、物置と見学場所にした。それも手狭になったので、大工の保護者を中心に小屋を建てた。ついでにベンチも作った。そのベンチは今もC面にある。青柳ゴルフからもらってきたネットを、どこからか調達した鉄パイプに張ってボールが川に入らないようにした。西瓜の皮はずいぶん埋めたもんだ。

 でこぼこのグラウンドでも子ども達はボールを繋いだ。木枯らしに砂埃が舞い、紅白戦では火花が散った。熱くて、激しくて、それでもサッカーは時には残酷。それでもやっぱりサッカーが好き。きっと子どもたちの中に何かが残った、ら、いいねと思っていた、筈です。

 そんなプチ神話な昭和と平成をサヴァイヴした草加東サッカーには、現在幼稚園から6年生まで、約60名が在籍しています。練習に、試合に、毎週末、汗を流しています。

 “繋げ ゴールへ” を合言葉に、ボールと地元と仲間を大切にして、強くて優しいチームを目指しています。

 止める、蹴る、運ぶ、繋ぐの基礎技術にはじまり、サッカーを通じて、健全な肉体、強い気持ち、やり抜く心、長く付き合える友情、地元への愛情を育んでもらいたいと思っています。

 そこを目指して、選手とコーチと保護者がチームになって叩き出すダウントゥアースなグルーヴ感も自慢の心地良さです。平たく言うと、気さくで熱くてノリが良いです。こんなふうに子どもと保護者が一緒になって、笑ったり泣いたりできるのも、きっと小学生の間だけで、ここで培われた何かが、子どもたちの次のステップを切り開く糧になってくれると信じています。

 それにしてもというか、だからこそなのか、草加東の子どもたちはほんとうにサッカーが好き。それに加えて、地域の地元のチームなので当たり前なのかもしれませんが、仲間と遊ぶのもこれまた大好き。そういえば、先日の蹴り納めにはOB達が20人以上集まってくれて、やっぱり草加東のサッカーは楽しくて、年月が経ってもこのチームの仲間との繋がりは格別なのだと教えてくれました。

 選手たちが、自分たちの知恵と技術と工夫と判断で、ボールと気持ちをゴールへ繋いでいく、リズムとスピード感にあふれた、楽しくて美しくてワクワクさせてくれるサッカーを見せてくれることがあります。笑顔が弾ける嬉しい時も、だらけてふざけて怒られる時も、涙が溢れる悔しい時もあります。いろんなことを経験して、ボールを繋ぎ、仲間と繋がり、成長していく子どもたちの姿に大人たちもいつだって胸が熱いです。

また、明日から頑張りましょう。次の40年も、なにとぞよろしくお願い致します!


草加東サッカースポーツ少年団 監督 橋本方弥


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